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〜教育と、教育観を再構築し続けるコミュニティ〜
2025年05月10日 (Sat)
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2009年12月20日 (Sun)
こんばんは。りんりんです。
お久しぶりです!

ここ2日、色々な人と出会い話をする機会があり、
その中で、「そもそも私は何で教育に関わって生きたいんだ?」と考えることがたくさんありました。

少しずつ、少しずつ整理していきたいと思います^^

*   *   *   *   *


小学校の4年生から、中学を卒業するまで、私は和歌山にある
きのくに子どもの村という学校に通っていました。

「学校」といっても、とても変わっているところで、
総合学習のテーマ別でクラス分けがされている学校でした。
木工をする「工務店」、料理をする「うまいもん」、縄文時代を体験する「歴史館」など。
毎年年度の始めに、クラスの内容、他の子どもの顔、担当の大人などを見て、
どこのクラスで今年1年を過ごすかを、子どもが選択します。
だから、小学校では1~6年生、中学校では1~3年生の
完全縦割り学級になります。
詳しくはhttp://www.kinokuni.ac.jp/nc/html/htdocs/index.php

そんな【学校】でした。


卒業式の当日まで、竪穴式住居を建てました。
雪が吹雪く中、高原に葦を狩りに行き、休日は保護者動員で葦狩りをしました。
(大人の立てた計画や見通しがあったのですが、予想できないことも多々。)

畑で野菜を育てました。
植物を育てる上で適した土を整理する為、土の酸性アルカリ性を変える比較栽培を行い、学ぶ子がいました。
ジャガイモを育て、遺伝について学ぶ子がいました。
その子は次年度、「動植物研究所」というクラスに入り、アメーバについて研究し発表していました。

そんな【授業】でした。


ミーティングの時間がたくさんありました。
全校ミーティング・全寮ミーティング・クラスのミーティング
寮の部屋のミーティング・犬委員会のミーティング
行事委員会のミーティング・ミーティングを考える委員会でのミーティング。
週に2回は必ず、どこかで何かのミーティングがありました。

行事を開催するかどうかを決めるミーティング、
犬の名前を決めるミーティング、
イジメや盗難について話し合うミーティング、
お風呂の時間や使い方のミーティング、
来週や来学期の活動計画を立てるミーティング。

全校ミーティングでは、小学校1年生から中学校3年生まで、大人も一緒に、
250人前後が一同に集まって進めていました。
ミーティングボックスがあり、そこには誰でも議題を出すことができました。
困っていることを書く子、提案したいことを書く子。
10分で終わる議題もあれば、1学期間費やす議題もありました。

自分とは異なる人が集まっての共同生活。
ぶつかってくる主張と主張を解決するもの・折り合いをつけるもの、
それが【ルール】であり、【校則】でした。
【ルール】は、それぞれがより自由になるためのものでした。


教科学習の時間もありました。
一斉授業のスタイルで進めるものも、個別授業のスタイルで進めるものも、
教え合いのスタイルで進めるものも、ありました。
特に理科や数学は、知識が増えると、自分の世界が豊かになる感覚が強くありました。
世界の見方が、広がったり深まったりする感覚がありました。

人間の構造はどうなっているんだろう。
空は何で青いんだろう。
自分の声が、ビデオで聞くと違うのは何故。
夏と冬の日の長さや気温が違うのはなぜ。
自分と他人の認識が違うのはなぜ。何で私はこの身体の私なのか。

どこからが教科で、どこからが総合学習で、どこからが哲学か、
分からないけど、でも、
「何で?」と、「そうか!」「だからか!」そして次の「何で?」
その間にあるものが、学びだと思った。

【生きる】ということは、【学ぶ】ということだった。
【学ぶ】ということは、生きるということで、
学ぶということは、より幸せに向かうためのものだった。
そして、その行為自体も幸せで楽しいものだった。


そんな、小中学生時代を過ごしました。

中学校3年生になる頃には、子どもなんだけど、
すっかりお姉さんというか、自分の気持ちでは子どもの中の大人というか、
子どもの中の、先輩という感覚がありました。

自分よりも小さい子ども達が、
自分とは全く違う世界の切り取り方や見方をしているのを見て、
面白いな~と関心したし、
人数がいればいた分だけ、同じ経験をしても、そこから得るものに
様々な違いがあることに面白さを感じて、
そういった瞬間を見続けたい、そういった瞬間の作り手になりたい、と思って、
先生になりたいと思うようになりました。

【先生】は、子どもの学びの瞬間に立ち会えたり、
その発見や見ている世界、またその世界の変化を間近で触れさせてもらえる、
とっても幸せなお仕事だと思いました。


そして、高校進学時になり、公立校への進学を決めます。
きのくには高等部もあるのですが、自分はそこへ進んではダメだと思いました。
この環境はとても居心地がいいけど、ダメだと思いました。

自分は先生になりたいのだから、そのためには、
自分自身が、学習者として、
いわゆる一般的だと言われている「学校」の中に自分を置かなければ、
そこの世界を理解することは出来ないな、
つまり、日本で先生をすることは出来ないなと思いました。



ここからが、とっても大変でした。
闇の3年間の始まりです。(笑)
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無題
とても、丁寧な文章で
感覚が伝わってきました。
その経験を通して「現在」
見える日本の教育の姿を
私も知りたいのです。

教育をどこに持っていこうとしているのか
私も自分自身への問いが常にあります。
こぼんまつーら 2009/12/21(Mon)02:00:46 編集
無題
こぼんまつーらさん

コメントありがとうございます^^
嬉しかったです。

教育をどこにもっていきたいのか、
自分はどこからどんな形で関わっていきたいのか、
何が「よい」のか、
分からないなぁ、難しいなぁ、でも簡単なことかも知れないなぁ、
と、色々と問いだけが立ったまま、何年も過ごしています。
試行錯誤、手探りで進めている感じです^^;
りんりん 2009/12/22(Tue)23:46:07 編集
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